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【小説感想】12月1日は映画の日!映画好きによる映画好きのための小説『キネマの神様』

 

「12月1日は何の日?」「映画の日

ということで今回は、私が好きな映画をご紹介!

ー…するのではなく、原田マハさん著の“ 映画好きによる映画好きのための小説 ”『キネマの神様』について書こうと思う。ちなみに、映画の日は1956年に映画産業団体連合会が制定したらしい。ぜひ、薀蓄のひとつとしてお見知り置きを。

  

キネマの神様 (文春文庫)

 

ただ、好きだ。それだけなんだ。

 

原田マハさんの作品を読んだのは本作が初めてだった。

読み終えて一番に思ったことは「この作者は本当に映画を愛しているんだな」ということだ。本作には実在する映画のタイトルがいくつも出てくる。その作品ひとつひとつに、そして映画という娯楽そのものに対する、作者の恋慕や敬意がひしひしと伝わってくるのだ。本作に出てくる登場人物たちの台詞は、きっとそのまま作者が思っていることなのだろうと思えてくる。

では、簡単にあらすじを。

 

 本作は、39歳の独身女性【円山歩】の視点から綴られている。歩は国内有数の大手デベロッパーに勤務し、「開発地区に映画館を中心とした文化施設を作る」というプロジェクトの課長を担っていた。しかし、女性社員の昇進をよく思わない社員による根も葉もない噂が広がったことにより、歩はそのプロジェクトを外され、17年間勤めた会社を辞職することに。その後、ひょんなことから映画雑誌『映友』を発行する会社に入社することになる。

 

さて、いよいよ歩を中心に物語が動きだすのか。・・・と思っていたが、実は本作。スポットライトを最も浴びるのは、【歩】ではなく、歩の父親なのだ。この父親【(通称)ゴウ】は、どうしようもないギャンブル好きで長年家族を困らせていた。 病気を患って入院しても病院を抜け出してギャンブルへ。果てには多額の借金が発覚する。

 

しかし、そんなゴウにも健全とも言える趣味があった。それが、映画だ。行きつけの小さな名画座、【テアトル銀幕】の真ん中の席は、いつだってゴウの特等席なのである。

 

そんなゴウが、これまたひょんなことから、歩が転職した会社で映画ブログをスタートさせることになる。そして、いよいよ始まるのだ。ブログというツールを通して、ゴウローズ・バッドと名乗る人物との映画論争が。

 

本作は野球賛美の映画である以上に、家族愛の物語なのです。 ーと、ゴウがブログに書けば、ー君はこの映画が「家族愛の物語」だと書いていたが、そんなに単純なものであれば、我々はもっと気楽にこの映画を堪能することができただろう。ーと、すかさずローズ・バッドがコメントをする。そんな論争が、実在する数々の映画に対して繰り広げられるのだ。

 

ローズ・バッドの正体については驚きとしか言いようがないが、こちらはネタバレになるので書くことは控えておく。

とにかく、ゴウそしてローズ・バッドの映画論争がとてつもなく面白いのだ。そして羨ましい!という気持ちを抱かざるをえないのだ。好きなものについて、これだけ意見を交わすことができるゴウやローズ・バッドに対して、嫉妬してしまうのだ。この嫉妬心は、本作を読めばきっと理解してもらえるだろう。好きなものを通して、戦友?盟友?と呼べるような相手と巡り会える。うん、とにかく羨ましい。

 

私は映画が好きだ。ただ、好きだ。それだけなんだ。

君とその思いを共有できて、私は幸福だった。

できることなら、君と一緒に、いちばんお気に入りの映画館で、いちばん好きな映画を見たかった。

そうだ、バターをたっぷりかけたポップコーンをほおばりながら。

(文庫版P314:ローズ・バッド)

 

この一節を、私は電車の中で読んだ。失態だった。

帰宅ラッシュの満員電車の中で、私は涙をこらえられなかったのだ。無理矢理泣き止もうとして逆に嗚咽を漏らしてしまったほどだ。人前で泣いてしまった羞恥心を感じながら、それでも、涙を止めることができなかった。

 

悲しいとか切ないとか、決してそんな感情から泣いたのではない。上述したとおり、ただただ羨ましかった。そして、私もそんな相手が欲しいと思った。好きなものを、好きなことを、「ただ、好きだ」、という気持ちだけで語り合い共有することができる相手と出会いたいと思った。願わくば、このブログもそんな出会いの場のひとつになればいいなと思う。 

 

※ちなみに。『キネマの神様』に登場する映画については以下ご参照。

matome.naver.jp

 

※ちなみに。

『キネマの神様』に登場する映画館【テアトル銀幕】は恐らく飯田橋にある名画座【ギンレイホール】を模していると思われる。近くに住んでいるので、何回か行ったことがあるが、たまに行く名画座って、いわゆるシネコンと違って、また良いんだよなあ。名画座って何?名画座って一度行ってみたかったんだよね!って方は、以下ご参照。

飯田橋ギンレイホール

 

【小説感想】『ふがいない僕は空を見た』女性による女性のためのR-18(官能)小説

 

前職の話だが、「あー!ムラムラする!今絶対排卵期だわー」と突如叫び出す女性の先輩社員がいた。そうだ、女性だってムラムラするんだ。

とはいえ、「今夜SEXしようよ!」なんて気軽に誘える相手がいるわけでもないし、ひとりで行うのも、なんだか気がひける。じゃあ、このムラムラどうすればいいの!

なんて気持ちに陥っていた時に出会った本作。

 

ふがいない僕は空を見た

 

新潮社が主催する“ 女による女のためのR-18文学賞 ”を受賞した作品が含まれている一冊で、官能的な気分になれることを期待して購入した、が。

その期待は(良い意味で)見事に裏切られることになる。

もちろん、R-18を謳っているため、官能的な表現はふんだんに含まれている。ので、それを期待して購入するのも悪くはない。

 

おれの動きに合わせて、あんずが腰を回した。あんずがおれの顔に手を伸ばして、口の中にひとさし指を入れて、おれの口の中をかきまわした。あーんとあんずが子どもみたいな声をあげて、ペニスの先にかたいものが触れたとき、もう限界だった。頭のうしろのほうで細い光の線が一瞬見え、快感で鼻の下がむずむずした。

 

とは言え、この作品の魅力は官能的部分だけでは終わらない。むしろ後半は官能的表現はほとんどない。それでも惹きつけられる。理不尽でふがいない日常を必死に生きていく登場人物たちに惹きつけられるのだ。

ちなみに本作は、5つの連作短編で成り立っている。以下簡単に記述を。

 

5つのストーリー

ミクマリ

本作において中心人物となる男子高校生【斉藤卓巳】の視点から綴られたストーリー。友人に付き添って訪れたオタクのイベントで、不妊の専業主婦“あんず”と出会い、不倫関係に陥る卓巳。学校が終わると“あんず”のマンションを訪れ、セックスをする。“あんず”が用意したコスプレ衣装をまとい、“あんず”が用意した原稿通りのセックスを。

そんな関係が続いていた中、同級生に告白されたことによって一度は“あんず”に別れを告げる卓巳。だが、ショッピングセンターで“あんず”を見かけたことにより、“あんず”のことが頭から離れなくなり、再び家を訪れることに。

再会を果たしたふたりは、初めて、コスプレ衣装をまとうことなく、真の姿で、お互いを貪るように身体を重ねる。これまで感じることのなかった燃えるような感情、そして快楽。“あんず”への恋心を確信する卓巳だったが、行為を終えた後、「今までありがとね」と、今度は“あんず”から別れを告げられることに。そこで、ミクマリは幕を閉じる。

 

 「いやだいやだいやだいやだ行かないで行かないで行かないで。おれを置いていかないで」。ぶざまに駄々をこねることで、あんずが行かなくてもいいことになるんじゃないかと本気で思ったのだ。おれは子どもだから。あんずはそんなおれを一瞬だけ泣きそうな顔で見て、「もうおうちに帰らないとね」と、さっきよりももっと小さなかたい声で言った。

(出典:『ふがいない僕は空を見た』ミクマリ)

 

コスプレ衣装を纏っていた時のセックスと、衣装をまとわずに生身のまま行った最初で最後のセックス。 このふたつの対比が、見事だと思った。前半のセックスで漂っていた虚無感や脱力感は、最後のセックスには微塵も感じられない。

感じるのは、ふたりの激しい息づかいとぶつかり合う鼓動の音。ソファーが軋む振動。そして、身体を重ねることで感じる“ 性(生)に対するふたりの悦び”だ。思わず己の呼吸まで荒くなっていきそうになる。

だからこそ、その後の展開があまりにも残酷だった。はじめて感情をぶつけ合ったふたりを嘲笑うような、皮肉な展開。それまで高校生にしては落ち着いた印象だった卓巳が、子どものように駄々をこねるシーン(上記の引用)は生々しく、強烈な余韻として残った。

 

世界ヲ覆フ蜘蛛ノ糸

2編では、卓巳の不倫相手“あんず”こと【里美】の視点から物語が綴られている。ミクマリでは、単なるコスプレプレイを好む不倫相手“あんず”の姿でしか描かれていなかったが、世界ヲ覆フ蜘蛛ノ糸では、【里美】というひとりの女性の心の闇やその背景が露わになる。

世間や社会との不適合性。ただ生きていくために選んだ結婚。望まない妊娠。姑から強要される不妊治療。「離婚してください」という願いもかなわず、これからもずっと、弱すぎる夫と強すぎる姑との世界の中で生きていくのだろう。そんな世界の中で、コスプレ衣装をまとうことは現実逃避の手段、卓巳との最後のセックスは、里美にとっての唯一の心の支えになるのかもしれない。

 

2035年のオーガズム

3編では、卓巳に告白をした同級生【七菜】の視点から物語が綴られている。七菜自身の性に対する興味、卓巳への恋心、七菜の兄のこと(生まれながらに頭が良くT大に現役合格。大学在籍中にフリーセックスを推奨する宗教団体に入団し家出。戻ってきてからはずっとひきこもり)など、いくつかテーマはあったが、3編については七菜の母親の、子に対する強い思いしか印象に残っていない。

 

この家で絶対に死なせないわよ。パパが建てた家なのよ。優介と七菜を守るために、パパが死ぬ気で働いて建てたのよ。優介を死なせないわよ!絶対に私よりも死なせないから

 

どうしようもない宗教団体にハマり、帰ってきてからも部屋にひきこもりっぱなしの息子。自分の子供なのに、息子が何を考えているのか、きっと理解できなかっただろう。宇宙人とさえ思ったかもしれない。でも、死ぬことは許さない。決して。生きてさえくれればいい。そんな、親の子に対する執着というか、思いというか、そんなものが、嵐の夜に爆発した母親の言葉の数々から伝わってきた。

 

セイタカアワダチソウの空

4編では、卓巳の友人【福田】の視点から物語が綴られている。小さいときから団地で貧困生活を送ってきた福田。高校生になった今は、痴呆の祖母とふたりで暮らしている。周囲からは「団地の住人だ」「万引きが起これば団地のやつが犯人だ」と冷ややかな視線を向けられながら過ごしてきた。そんな福田に対して、アルバイト先の先輩【田岡】が、「おまえさ、進学のこと本気で考えな」と勉強を教えてくれるようになる。「今のおまえに何もないでしょ。おまえのステータス上げる大卒っていうアイテムくらい装備しておいてもいいんじゃないの」と。だが、そんな田岡自身、彼自身望まない事情を抱えていて・・・。

 

「そんな趣味、おれが望んだわけじゃないのに。

 余計なオプションつけるよな神さまって」

(田岡)

「どんな子どもも、自分を育ててくれる親や、

 自分の人生を選んで生まれてくるんですよ」

ぼくはぼくの人生を本当に自分で選んだか?

ぼくは小さく舌打ちをして、

いじわるな神さまがいるかもしれない空に向け、唾を吐いた。

(福田)

 

どうしようもない趣味を持つ。貧困家庭に生まれる。自分が好んで選んだわけではない。生まれたときから与えられた世界、運命なのだ。その運命は覆せるのだろうか。抗えるのだろうか。いや、従うしかないのだろうか。その運命に従いながらも、必死にもがき生きていくしかないのだろうか。私個人としては、3編が一番、本作のタイトル「ふがいない僕は空を見上げた」の「ふがいない」という言葉がしっくりくるなと感じた。

 

花粉・受粉

5編は、助産院を営み助産師として働く【卓巳の母】の視点から物語が綴られている。

里美とのセックス動画が世間にばらまかれ、ひきこもりになってしまった息子卓巳。己の息子が苦しんでいる姿を見守りながら、これから生まれてくる命と対峙し続ける。

 

今までにとりあげた子、とりあげられなかった子、私の手の中ですぐに亡くなってしまった子、これからとりあげる子たちのことを祈った。

「先生、私、絶対に自然に産めますよね」

ここにやってくるたくさんの産婦さんたちが口にする、自然という言葉を聞くたびに、私はたくさんの言葉を空気とともにのみこむ。自然に産む覚悟をすることは、自然淘汰されてしまう命の存在をも認めることだ。彼女たちが抱く、自然という言葉のイメージ。オーガニックコットンのような、ふわふわでやわらかく、はかないもの。それも間違ってはいないのだろうけれど、自然分娩でも、高度な医療機器に囲まれていても、お産には、温かい肉が裂け、熱い血が噴き出すような出来事もある。時には、母親や子どもも命を落とす。どんなに医療技術が発達したって、昔も今もお産が命がけであることは変わらないのだ。

この窓からの風景が一瞬で消えるようなことが起こっても、私はこの世界に生まれてこようとする赤んぼうを助けるだろう。だから、生まれておいで。

 

5編では、助産院という命の現場を通して、新しい命が無事にこの世に生まれてくること自体の奇跡、そして1から4編で描かれたどうしようもない世界をこれから生きていくことになる新しい命に対する、作者の祈りが込められているように感じた。

 

どんな世界でだって、生きていく

 

読後の感想として、重松清さんの書評が一番しっくり来たので一部引用。

 

「作品と作者の美点はいくつもあるのだが、なにより惹かれたのは、どうしようもなさをそれぞれに抱えた登場人物一人ひとりへの作者のまなざしだった。救いはしない。かばうわけでもない。彼らや彼女たちを、ただ、認める。」「ただ生きて、ただここに在る――「ただ」の愚かしさと愛おしさとを作者は等分に見つめ、まるごと肯定する。その覚悟に満ちたまなざしの深さと強さに、それこそ、ただただ圧倒されたのである。 

 

本作で描かれていた5つの世界。決して非現実的な世界ではない。誰かにとって、どうしようもない世界が、今まさに日常としてあるかもしれない。どう足掻いても、どう抗っても、覆すことができない日常が。それでも私たちは、生きていくんだ。生き延びるんだ。「命って大切!」なんて綺麗ごとを言うつもりはない。私たちの目の前にある日常を生きていく。

ただ、それだけだ。

 

 

ふがいない僕は空を見た (新潮文庫)

ふがいない僕は空を見た (新潮文庫)

 

↓ 映画もおすすめです ↓

ふがいない僕は空を見た
 

 

 

【雑記】感情を言葉に。喜怒哀楽じゃまるで足りない。

 

ブログを書き始めて早々につまずいた。

書くのが面倒になった。わけではない。毎日仕事から帰るやいなやPCと向き合ってはいた。で。気づけば1時間、2時間、3時間が過ぎて、いつの間にか0時を回っている。下書きには書きかけの記事がたくさん溜まっている。

書いては消して、書いては消してを繰り返す。できあがった記事、すでに更新した記事を読み返すけれど、なんだか胡散くさい。これは誰が書いたんだろうか。そう思ってしまう。

あ、やっぱり訂正する。

冒頭私は「書くのが面倒になったのではない」と既述したが、正直面倒だ。文字を書くことは好きだ。だからブログを書くこと自体は面倒ではない。

面倒なのは、PV数やこのブログを読んでくれている誰かを意識して、自分の感情を共通言語にして説明することだ。このブログを読んでくれている誰かが共感してくれるだろうワードに自分の感情を当てはめることが面倒で仕方がない。

本を読んで、音楽を聴いて、映画を観て、私はどうしようもない気持ちになることが多い。例えば、枕に今すぐ顔を突っ伏して「あああああああああああああああ゛」と叫びたくなったり、部屋を真っ暗にして毛布をかぶって無理矢理涙を流してみたり(情緒不安定ではありません)冬なのに桜が目の前を舞っているような気分になったり(幻覚をみてるやばい奴ではありません)お腹の下の方がきゅるるんと締め付けられたり(生理痛ではありません)。

これをこのまま書いたところで作品の良さが伝わるとは思わないが、じゃあどの言葉に当てはめればいいのかわからない。

枕に顔を突っ伏して叫びたくなる衝動は何の感情からくるのか。切なさ?悲しさ?怒り?それさえもわからない。切ない。なんて言葉じゃ足りない気がする。

感情を言葉にして伝えるということは、言語をもっている人間の特権だと思う。でも誰かの「嬉しい」と私の「嬉しい」は違うかもしれない。誰かの「悲しい」は私の「憎らしい」かもしれない。きっと違う感じ方なのに、既存の共通言語で表現するのって難しい。

んー、、、どうやって表現するのが自分自身にとってしっくりくるのだろうか。しばらくは模索していくことになるかな。文体ブレブレでも、気にしないでくださいね。

 

【小説】『伊坂幸太郎』全作品、一挙紹介してみた(パート2)

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 前回に続きパート2です。パート1はこちら。

tekuteku014.hatenadiary.com

 今回は『アヒルと鴨のコインロッカー』『チルドレン』『サブマリン』『グラスホッパー』の4作品を紹介します。出版順に書いていこうと思っていましたが、続き物がある作品は一緒に書いた方がわかりやすいか!と思い、路線変更してます。笑

ここのラインナップが実は一番好きかもしれない。大好きな作品が続くので、思いのままに書きます。

 

伊坂幸太郎作品、一挙紹介(パート2)

アヒルと鴨のコインロッカー

アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)

アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)

 

 あらすじ

引っ越してきたアパートで出会ったのは、悪魔めいた印象の長身の青年。初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。彼の標的は――たった1冊の広辞苑!? そんなおかしな話に乗る気などなかったのに、なぜか僕は決行の夜、モデルガンを手に書店の裏口に立ってしまったのだ! 清冽な余韻を残す傑作ミステリ。第25回吉川英治文学新人賞受賞。

この作品は、何の先入観もなしに、頭の中で配役を立てて読み進めてほしい。きっと途中で、自分の立てた配役に違和感を覚えるはずです。「あれ、この配役合わないかも」と。その違和感こそ、伊坂マジックに陥っている証拠です。そして最後に、その違和感の正体を知るんです。「やられた!」と。満足気に笑みを浮かべながら、膝を打っている自分がいるんです。

印象に残ったシーン

河崎は照れ臭そうに唇を曲げて、それからこう言った。

「神様を閉じ込めに行かないか?」

はじめて会った時と、まったく同じ印象を受けた。

あ、これは悪魔の言葉に違いないな、と思ったというわけだ。

「神様を閉じ込めに行かないか」なんともお洒落な言葉だ。伊坂さんの作品には節々にお洒落な言葉が隠れているように思う。

切なくもあたたかな嘘と真実。桜の花びらが目の前を舞っていくような、それをぼんやりと眺めているような、そんな優しい気持ちになれる一冊です。

おすすめポイント

・途中覚える“違和感”からの、巧妙な種明かし

・なんとなく懐かしい気持ちになる作品

ボブ・ディランの曲をBGMに流しながらどうぞ

 

チルドレン

チルドレン (講談社文庫)

チルドレン (講談社文庫)

 

あらすじ

俺たちは奇跡を起こすんだ」独自の正義感を持ち、いつも周囲を自分のペースに引き込むが、なぜか憎めない男、陣内。彼を中心にして起こる不思議な事件の数々――。何気ない日常に起こった5つの物語が、1つになったとき、予想もしない奇跡が降り注ぐ。ちょっとファニーで、心温まる連作短編の傑作。(引用:amazon 

どこに行けば陣内と出会えるのだろうか。ついつい現実世界に彼の存在を求めてしまう。

陣内のような人が近くにいたら、私は仲良くなれるだろうか。遠巻きに見てしまうだろうか。怪訝そうな顔を浮かべて、遠ざけてしまうだろうか。

そうじゃなければいいな、と思う。彼のペースに巻き込まれてしまいたい、と願ってしまう。きっと毎日が刺激的で愉快になるだろうし、退屈してる暇なんてなくなると思うんです。

印象に残ったシーン

「世の中に『絶対』と断言できることは何ひとつないって、うちの大学教授が言ってたけど」わたしはとりあえず、識者の言葉で説得を試みた。

「『絶対』と言い切れることがひとつもないなんて、生きている意味がないだろ」 

 デタラメなことを言っていても、陣内が言うとなんだか納得してしまうんですよね。例えば、つぶ餡とこし餡の二種類があったとして、陣内の場合は「潰せばこし餡になるんだから、一石二鳥だよなあ」と、迷わずつぶ餡を選ぶ。

めちゃくちゃだ!屁理屈だ!と思いながらも、心の内では「な、なるほど」と感心してしまう。そんな不思議な力(?)をもった人物が登場する一冊です。

おすすめポイント

・陣内。とにもかくにも、陣内。

・ クスリと笑えて、読後、前向きな気分になれる

 

 サブマリン

サブマリン

サブマリン

 

 あらすじ

家裁調査官である陣内と武藤の腐れ縁コンビは、無免許運転のあげく歩行者をはねて死なせた少年・棚岡佑真の面談に当たっていたが、彼はなかなか話に応じない。棚岡は自らも交通事故で両親を失っており、やがてその後も交通事故に巻き込まれ友人を失っていたことが判明する。その加害者の少年を、陣内が担当していたことも。いっぽう武藤は、ネット上で暗躍する脅迫文投稿者に脅迫状を送り付けたあげく自首した少年・小山田俊の試験観察も担当していたが、ある日俊がネットの殺人予告者が犯行に移そうとしていると伝えてくる。物語は棚岡と小山田というふたりの加害者少年を軸にまず動いていくが、読みどころはやはり陣内の相変わらずの変人ぶり。武藤にいわせれば、「自信満々で何でもできるような態度で、はた迷惑な人」だが、実は棚岡の事件とは深い関わりがあり、そこから意外な一面も浮かび上がってくる。(引用:amazon

上述『チルドレン』の続編として、12年の時を経て出版された本作。前作が一話完結型の連作短編集だったのに対して、本作は、“少年が起こした交通事故”を題材とした長編小説になっています。

本作については、伊坂さんのインタビュー記事が印象的だったので一部転載します。

たとえば、交通事故って、本当にやりきれないものですよね。何の罪もない人が突然命を奪われる。実際の事故の報道に接したりすると、僕自身、そこに加害者に対しての怒りしか覚えないですし、やりきれない。

でも逆に、その加害者には重い持病がありました、と聞けば、僕はすぐに、ああそうだったんだそんな事情もあったんだ、って加害者に同情する気持ちを持ってしまう。

でもまた逆に、持病があったにもかかわらず加害者は病院に通っていなかったと報じられると、なんなんだよふざけるなよ、ってまた怒りがわいてくる。

揺れ動いちゃうんですよ。被害者はもちろん被害者のままですけど、いったい誰を責めたらいいのか分からなくて。

だから、そういうことを、嫌だけど、書く。そういう結末がはっきりしないものを、書いてみよう、と決めたんですよね。

 (引用:【インタビュー】伊坂幸太郎、12年ぶり“復活”の本音|講談社BOOK倶楽部

善か悪か。是か非か。白か黒か。

「真実はいつもひとつ!」なんて某漫画の主人公は言うけれど、その真実に向けられる世論や感情、その真実の裏にある背景や事情は、決して一括りにはできやしないのだと、本作を読んでいて思いました。

世の中の物事の大半は、曖昧模糊なのだと。

印象に残ったシーン

目の前にいる子供が、もし将来、ヒトラーになるのだとすれば、殺害するのは良いことなのか悪いことなのか。

良いこととは言い難いにしても、それは許される部分があってもいいのではないか。

やるせないことだらけの中で、陣内という存在自体が、 ひとつの希望のように思えてくる。こんな大人がいるのであれば、世の中捨てたもんじゃないかもなって。そんな風に一筋の希望を感じながら読むことができる一冊です。

おすすめポイント

・今回もやっぱり陣内。なんてたって陣内。

伊坂幸太郎作品の中では題材がリアルな為、日頃感じている理不尽さや、やるせなさ、もやもやとした感情を照らし合わせながら読むことができる。

 

グラスホッパー

グラスホッパー (角川文庫)

グラスホッパー (角川文庫)

 

あらすじ

元教師の鈴木は、妻を殺した男が車に轢かれる瞬間を目撃する。どうやら「押し屋」と呼ばれる殺し屋の仕業らしい。復讐を横取りされた。

鈴木は正体を探るため、「押し屋」と呼ばれる彼の後を追う。

一方、自殺専門の殺し屋「鯨」、ナイフ使いの殺し屋「蝉」も「押し屋」を追い始める。
それぞれの思惑のもとに――「鈴木」「鯨」「蝉」、三人の思いが交錯するとき、物語は唸りをあげて動き出す。
疾走感溢れる筆致で綴られた、分類不能の「殺し屋」小説!(引用:amazon 

なにげにハードボイルド好きな私。したがって、本作の設定は、読む前から胸踊るものがありました。単なる殺し屋ではなく、なんと特徴のある殺し屋たちなのか!と。

そして、この作品は、様々な憶測がある作品ですよね。どこからどこまでが現実でどこからどこまでが幻なのか、と。

私個人としては、この作品に出てくる殺し屋ふたりは「鈴木」の幻影だと思っています。「鯨」を無意識のうちに苦めている罪悪感は、表社会から裏社会に飛び込んで、何の罪もない人にドラッグを仕向けてきた鈴木の罪悪感に重なりますし。(実際に自分の手で渡しているわけではないが結果として薬漬けの人を作り出している=鯨の自殺を促すという殺し手段に似ている)「蝉」が感じている雇用主からの呪縛も裏社会に飛び込んでからの「鈴木」の状況を映している。そんな風に考えられるな、と。(あくまで私個人の意見です)

 印象に残ったシーン

「今、この国では一年間に何千人もの人間が、交通事故で死んでいる」

「らしいですね」

「それなのに、車に乗るのはやめよう、とは誰も言い出さない。面白いものだ。結局、人の命なんて二の次なんだ。大事なのは、利便性だ。命より利便性だ」

ドストエフスキーの「罪と罰」がひとつのキーワードになる本作。読み込むほどに、いろいろな憶測や思考が頭を飛び交うでしょう。そして読み終えた後、誰かと討論を交わしたくなる一冊です。

おすすめポイント

・THEエンターテインメント、奇抜な設定に酔いしれる

・読みこむほどに、読み方が変わる不思議な作品

 

ということで、第2弾終了!次回は『死神の精度』からご紹介します。それにしても、1回につき4作品ずつだと時間かかるなあ。。。今月中には全て紹介し終えて、まとめ記事作りたいな。

 

以上!

【ハロプロ】クリスマスに向けて聴きたい!おすすめ冬ソング

 

最近めっきり寒くなりまして、いつの間にか冬到来ですね。

そんな季節の変化を肌で感じ、毎年の楽しみである、クリスマスソングのプレイリスト更新を始めました。

クリスマスソング、大好きなんです。ちなみに私のベスト オブ クリスマスソングは、“ StacieOrricoの『Christmas wish』”です。

 

Christmas Wish

 

・・・・・。

ハロプロじゃなくてすみません!!

ということで今回は、【クリスマスに向けて聴きたい!ハロプロのおすすめ冬曲(おひとりさま編)(恋人と一緒に編)】をご紹介します。通常は木曜がハロプロdayですが明日は予定があるので前乗りです!(意味が違う)

では、参りましょう!

 

おすすめハロプロ冬曲(おひとりさま編)

会いたいロンリークリスマス℃-ute

会いたいロンリークリスマス

会いたいロンリークリスマス

 

“おひとりさま”とは少し違いますが、寒い日に身体を縮めながら、好きな人のことを想って聴きたい。そんな切ない一曲です。

付き合っている人と、もしくは、気になっている人とクリスマスを一緒に過ごしたい!けれど、自分からは言い出せない。相手からも何も言ってこない。でもでも、一目だけでいいから会いたい!だから手帳のクリスマスの欄は空白のまま。って方、この曲を聴いたら、相手に会いたい気持ちがより高まってしまうのでご注意を。

歌詞

会いたいだけ 会いたいだけ

会いたいだけよ ただ会いたいだけ

この部分の鈴木愛理ちゃんのソロで、一気にハートを鷲掴みされること間違い無し!ハロプロの中でもド定番の冬ソング。ぜひ聴いてみてください!

 

わ〜MERRYピンXmas!モーニング娘。アルバム曲)

わ〜MERRYピンXmas!

わ〜MERRYピンXmas!

 

 会いたいロンリークリスマスとは打って変わってポップな曲調の一曲。つんくさんの遊び心満載で、ハロプロ初見の方は「なんだこのふざけた曲!」となるかもしれません(笑)THEアイドル!な可愛い曲がお好きな方におすすめです。

道重さゆみちゃんと久住小春ちゃんが“重ピンクこはっピンク”として可愛らしく歌い上げてくれています。ぶりぶりなふたりが本当に可愛い一曲です。 

歌詞

メリピンメリピンクリスマス×3

MERRY ピン Xmas For Me

どこにいるのかしら?ピンクの服着たサンタさん

両思いになりたい!叶えてサンタさん

街中みんなほらイチャイチャしてる

こんなのずるいわ不公平 

ちなみに私はこのままいくと、MerryピンXmas For meの予定です。ということで、クリスマスに向けてスケジュールコミットをするべく、次の曲!

 

ぴったりしたいX'mas!(プッチモニ

ぴったりしたいX’mas

ぴったりしたいX’mas

 

この曲は、いわゆる黄金時代に流行った曲なので、知っている人も多いんじゃないかな?と思います。同世代の女の子たちとこの時期にカラオケに行くと、ハロプロファンでなくても歌っている子が時々いますし。

「とにかくクリスマスまでに彼氏が欲しいんだ〜!」っていう気持ちが存分に詰め込まれたポップな曲調の一曲です。

歌詞

ぴったりしたいクリスマス

まったりしたいクリスマス

頭の中ほとんど彼氏

自慢したい素敵な彼氏

あ〜ん自慢したい未来の彼氏

カラオケに行った際にはぜひ、「L・O・V・E!LOVERY(名前)!」と名前を呼びあって、おひとりさま女子たちで盛り上がってくださいね。 

 

おすすめハロプロ冬曲(恋人と一緒に編)

 聖なる鐘がひびく夜タンポポ

聖なる鐘がひびく夜

聖なる鐘がひびく夜

 

ハロプロ定番のクリスマスソング。“聖なる”って言葉がぴったりな、あたたかくて綺麗な一曲です。ほっこり、幸せな気分になります。例えると、恋人が買ってきてくれた温かいココアで冷えた手をあっためながら「へへ」とか言って笑い合ってる時のような、そんな気分になる曲です。(相変わらず例えがわかりにくい)

歌詞 

聖なる鐘が鳴りひびく夜

あなたとのステキな出会いに感謝するわ

聖なる鐘よとどけOh my wish

あなたに包まれてMay love last Forever

聖なる鐘が鳴り響く夜

この恋よ未来まで続けと願うから

聖なる鐘よひびけoh my wish

勇気に包まれてMay love last Forever

ちなみに、タンポポといえば『王子様と雪の夜』も冬の定番ソングですので、そちらもぜひ聴いてみてください。タンポポは曲もそうですけど、衣装が可愛くて大好きです。

 

 100 回のKISS(松浦亜弥

100回のKISS

100回のKISS

 

あややの曲で好きな曲ランキングを作るとしたらトップに入ってくる曲。歌詞自体は冬ソングというわけではないですが、MVが冬仕様です。あややの甘くて透き通る歌声のおかげで、間違いなく、曲の良さが数倍増しされています。

歌詞

口づけ100回したならあなたは

100回スキだと言ってほしい

そしたら絶対 私は笑って

100回あなたを許せる

Yes, It's My Love

ちなみに、冬ソングではないのですが、冬に聴きたくなるあややの究極のラブソングとして『dearest』という曲があるので、そちらもぜひ聴いてみてください!(あややの歌唱力に脱帽の一曲です)

 

白いTOKYOZYX

白いTOKYO

白いTOKYO

 

きらきらと弾けるような、ポップな一曲。ゲレンデだったりスケートリンクだったりで流れてたらピッタリだなあと思います。おしくらまんじゅうでもしながら、きゃぴきゃぴ聴きたい曲です。(またまたわかりにくい例え)

歌詞

ちょっと手が触れて沈黙になった

空気変えようと突っついたの

わざと寒そうなしぐさをしたら

急に走ろうって 

本気? 

上の歌詞以外は、正直あまり冬ソングという感じではないのですが、タイトルとMVが相まって完全に冬ソングのイメージです。なので、ぜひ一度MVを見てみてください!

 

以上(おひとりさま編)・(恋人と一緒に編)とふたつに分けて3曲ずつ紹介してみました。初期の頃の曲が多かったので、現ハロプロファンじゃない人も聴き馴染みの曲があるんじゃないかな?と思います。

ちなみに「10曲選んで冬曲プレイリストを作るならどうなるかなあ」と考えて、最後に以下一覧にしてみました。

 

ハロプロ冬曲プレイリスト作ってみた

01会いたいロンリークリスマス℃-ute

02寒いね。(スマイレージ

03dearest.(松浦亜弥

03聖なる鐘がひびく夜タンポポ

04王子様と雪の夜タンポポ

05100回のKISS松浦亜弥

06白いTOKYOZYX

07キラキラ冬のシャイニーGモーニング娘。

08ぴったりしたいX'mas!(プッチモニ

09わ〜MERRYピンXmas!モーニング娘。

10Winter Story(Buono!

「切ない→可愛い→ぶっとんで→爽やかに終了」という順番ですが、いかがでしょうか??一曲でも聴いてみようかな!と思ってもらえると嬉しいです。ちなみに、「冬曲プレイリストを作ろう!」と今回試みてみましたが、ハロプロって意外と冬曲少ないなあという印象でした。

それではみなさん、素敵な冬をお過ごし下さい!

以上!

 

 

【感想】リアル『東京タラレバ娘』?!実家に帰省したら兄に「婚活しろ」と言われた話

 

この夏、25歳を迎えました。遂にアラサー女性の仲間入りです。

とはいえ「アラサーだ!やべぇ!」なんて焦りは微塵も感じていません。なぜかと言うと、私のまわりのアラサー女性って、キラキラしてる人が多いんです。美人で仕事もできて、プライベートも充実してそうな人ばかり。なので、「アラサー?上等だ!」なんて思っていた…はずだったんです。

「お前焦ったほうがいいよ。婚活しろ」と、兄に言われるまでは。

 

先に私の恋愛経験値を述べておくと、25年間生きてきてお付き合いをした経験は1度だけ。しかも「俺の想像してた彼女とはちょっと違う」とか何とかそんなことを言われ、半年も経たずして振られる始末。すなわち恋愛経験値は極めて低いわけです。

それでも「いやいや、まだ20代前半だし!仕事も頑張ってるし!好きなことやれてるし!」と自分に言い訳をしながら今まで過ごしてきたわけですよ、はい。

そんな私に放たれた「婚活しろ」という兄の一言。

家族と恋バナなんてしたことなかった私に、急に放たれた言葉。予想もしなかった出来事に「なななな、なんよ、突然」と噛みまくる私。

兄「お前、今彼氏おると?」

私「・・・おらん」

兄「ハッ!(鼻で笑う)お前やべぇって。婚活しろ、こ・ん・か・つ!」

私「う、うるさいなあ!いいやん、好きなことしようっちゃけん!」

と笑い飛ばしながらも、口元がヒクヒクと引き攣るのを感じる私。

そんな私の引き攣った笑いを見兼ねてか、「いらんこと言わんでいいと!●●ちゃんは東京で仕事頑張りよるっちゃけん!」と、隣で話を聞いていた兄嫁が助け舟を出してくれたわけです。

だがしかし、

兄「ハッ!(鼻で笑う)そんなん言い訳やろ、言い訳。彼氏が出来んけんって、それっぽい言い訳しようだけやろ」と一蹴され。

兄「じゃあ、実際どんくらい稼ぎようと?月給は?ボーナスは?年収は?」

私「×××万円・・・」

兄「ハッ!(鼻で笑う)たいしたことねーやん。仕事を言い訳にするくらいっちゃけんもっと稼いどるかと思ったし

私「・・・!!!」

兄「別に今直ぐ結婚しろとか言いよらんよ?ただ25にもなってそんだけしか恋愛経験ないのがやべえって言いよると。そのまま30になって、さあ婚活しようとか言っても遅いっちゃけんね。準備くらいしとけ」と、引き攣る私を余所に、畳み掛けてくるわけです。

もはや私のHPはゼロ・・・。

そんな私の脳裏に、ある漫画がチラつきます。そう、それが『東京タラレバ娘』です。

 

東京タラレバ娘(1) (Kissコミックス)

内容紹介

「タラレバばかり言ってたら こんな歳になってしまった」
そんなにイケていないはずじゃないのに気づいたらアラサ―になっていた倫子。6年後の東京オリンピックまでには結婚したいと思うけど…。(引用:amazon

 

アラサー女性には“ホラー漫画”として話題のこちらの作品。吉高由里子さん主演でドラマ化も決定していますね。

私がこの作品と出会ったのは今から2年前。当時は若干の恐怖を感じながらも、まだコメディとして楽しんでいました。32歳未婚の上司に「絶対ハマると思います!」とか言って薦めてたりもしました。今思えばどんだけ失礼な話でしょう…。

だがしかし。

今回の帰省を終え1巻から既刊まで読み返してみたところ・・・。

 

笑えねええええええええええ!

途中で何度本を閉じたくなっただろうか。

何が笑えないって、これを初めて読んだ時から今の私の状況が全く変わっていない点ですよ。 女友達と集まって話す会話の内容も、いつも同じ。変化なしという点ですよ。

東京タラレバ娘」を正気で読んでいられる人は、「恋に無関心」もしくは「恋が充実している」もしくは「自分のやばさにそもそも気づいていない」のどれかであって、私は最後だったんですね。「なんとかなる」「仕事頑張ってるし」なんて、都合の良い言い訳を並べて、なかなか恋愛できない自分から逃げてたんでしょうね。

それが、実の兄に指摘されて初めて恋愛に対して焦りが芽生えてきたわけです。

ということで、本当は恋愛したくてしたくてたまらないくせに、「私、恋愛できないんじゃなくて、しないんです!(フンッ)」なんて強がっている方へ贈ります。

東京タラレバ娘」説法。(閲覧注意)

 

東京タラレバ娘』説法

女子会?それ、そんな可愛いもんじゃありませんから〜!

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 (出典:東京タラレバ娘1巻)

いい歳して「痩せたら」だの「好きになれれば」だの

なんの根拠もないタラレバ話でよく

そんなに盛り上がれるもんだな

オレに言わせりゃあんたらのソレは

女子会じゃなくてただの

行き遅れの井戸端会議だろ 

確かに言ってますね。「出会いがあったらなあ」とか「いい人いればなあ」とか。 一年前も半年前も一ヶ月前も一週間前も。飽きずに何度も同じようなこと、言ってますね。全く進展することない話、してますね。

 

 1年後の私は、3年後の私は、思い描いていた私ですか?

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(出典:東京タラレバ娘4巻)

あることないこと妄想して興奮して

それだけに基づいて

たいして考えもせず行動する

だからオレも警戒する 

なあ一体何の為に歳取ってるんだあんたら

17歳の私は20歳になったら大学生として楽しい恋愛してるんだろうな、って思っていました。20歳の私は23歳になったら社会人として大人な恋愛してるんだろうなって思っていました。23歳の私は25歳になったら仕事も地に足ついてきてお互い支え合えるようなパートナーと出会ってるんだろうなって思っていました。アレ…?

 

 人のふり見て我がふり直せってこういうこと

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(出典:東京タラレバ娘5巻)

 戦闘力2 戦闘力3 戦闘力2

「じゃああんた付き合いなさいよ」

「え やだ ムリ」

「 自分たちのこと棚に上げて、何他人こと値踏みしてんだ!」って突っ込みたくなるけど、考えてみたら私もしてますわ。“人のふり見て我がふり直せ”ってこういうことかしら。

 

 それでも読んじゃうのは、救いを求めてるから

読めば読むほど、つらくなるこの漫画。「じゃあなんで読み続けてるんだろう」って、考えてみました。

で、結論。

この漫画を読み続けているのは、別に私がドMというわけでも、彼女たちの行動をみて我がふりを直そうとしているわけでもなく、多分救いを求めてるんだと思います。

「これだけ傷ついてボロボロになっても、きっと最後は救われるんでしょ?」って、主人公たちに自分を重ねて、彼女たちが救われるのを待っているんだと思います。私自身が安心できるような結末を描いてくれることを望んでいるんだと思います。

要するに、どうしようもないタラレバ娘なんですね。私。

 

近い将来、「ほんっと面白いわ、この漫画!」なんて、我が子を背におぶりながら、余裕な気持ちでこの漫画を楽しめてたらいいなあ。(あ、またタラレバ言っちゃった。)

 

以上!

【感想】『伊坂幸太郎』全作品、一挙紹介してみた(パート1)

 

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退職に伴い、一カ月間まるまる有給消化で過ごすことになった10月。

さて、何をしよう。

日本全国の温泉を巡りたいな。どうせなら海外にでも旅行しようかな。なんて、色々な思いを巡らせていましたが、どれも実行できず。

で、結局10月の一ヶ月間をどう過ごしたかと言いますと、ある作家の作品をひたすら読み漁っておりました。

というのも私、「この作家の作品は全て読破している!」と胸を張って言える作家が存在しなかったんです。

ということで、タイトル通り、その作家を伊坂幸太郎さんに定め、今まで読んだことがある作品も含め、全ての作品を読み返してみました。

ちなみに、伊坂幸太郎さんに定めた理由は、文体が難しくないのでサラサラと読める。そしてエンターテインメント性が非常に高い。つまり、挫折することなく全ての作品を読み終えられるだろうという単純なものです。

ということで、エッセイやアンソロジー作品を除けばほぼ全作品を読み終えたので(書籍化されている33作品)、何回かに分けて読んだ作品を一挙紹介してみようと思います。

 

 

伊坂幸太郎作品の魅力

作品を紹介する前に、伊坂幸太郎作品は一体どんなところが面白いか?私なりにいくつか並べてみました。

 

・王道の娯楽小説でありながら練りに練られた構成の技巧「伊坂マジック」

設定の奇抜さだったり主人公が追いつめられていく様だったり、伊坂作品はとにかくエンターテインメント性に富んでいて「これぞ王道の娯楽小説!」と言えるんですが、ただの娯楽小説では終わらないんですよね。伏線の多さや、その伏線回収の技巧にはついつい唸ってしまいます。いつも一歩先をいかれている気分になるんです。伊坂さんが「はい、今、僕の技巧に騙されてますよ〜」ってニヤリとしている姿が浮かんでしまうんですよね。細部まで油断しちゃいけない。そんな楽しみがあります。まさに、伊坂マジックです。

・登場人物たちのキャラクターとテンポの良い会話

伊坂作品に登場する人物ってキャラが立ってるんですよね。でもって、クスリと笑える会話や行動が多い。どんなに重いテーマを扱っていてもテンポ良く読めるのは、このおかげかもしれません。キャラクターの個性がきちんと書かれているので、「映像化するなら誰をキャスティングするかなあ」なんて想像しながら読むのも楽しいと思います。(実際に映画化されている作品が多い理由のひとつかもしれません)

・“どうしようもない悪”と“善”との対峙

伊坂作品に出てくる悪って、本当、とことん悪いんです。例えば、レイプだったり動物虐待だったり拷問だったりを罪悪感の欠片もなく楽しんでやっちゃう人が出てきたりとか。それをぼかすことなく表現してくるので、嫌悪感で本を閉じてしまいそうになることもあります。でも、そういった悪の残酷さが誤魔化さずに書かれているからこそ、善の在り方が明確に見えてくるんですよね。基本的には勧善懲悪がテーマの作品が多いのですが、一方で「悪とは何か、善とは何か」読者に答えが委ねられたまま終わる作品もあるので、良い意味で肩透かしを食らうこともあります。

・非現実と現実のコラボレーション効果

先にも書きましたが伊坂作品って奇抜な設定が多いんですよね。非現実というか。普通に生活してたらこんなこと起きないだろ!っていうような。けれど、そこに出てくる登場人物の心情だったり葛藤だったりは、生々しい。現実とかけ離れていないんです。あくまでフィクション小説なので現実に忠実すぎても面白くない。けど、かけ離れすぎると共感が生まれない。そんな非現実と現実の按配が絶妙だなと思います。それから、伊坂作品には実際に存在する人物や作品が登場することも多いので、そういったちょっとした現実から、なんとなく普遍性を感じてしまうんですよね。

・爽やかな読後感。けれどかすかに漂う切ない気持ち

基本的に、伊坂作品を読み終えた後は、すっきりとした気分でいられると思います。時々、どうしようもなく読後感が悪い小説ってありますよね。そういった部類ではないですね。ただ不思議なことに、爽やかな気持ちや温かい気持ちになる一方で、寂しさや切なさもまた、かすかに残るんです。それがまた心地良いんですけどね。

・作品ごとのリンク部分をみつけるのが楽しい

 伊坂作品といえば全く別の作品に同じ人物が登場したりするのも読んでいて楽しいポイントのひとつですよね。「あ、この人この作品で出てきた!」という場面にたくさん出会います。明確に名前は出ていなくても、描写で「同じ人物だよな」と気づかされるので、登場人物をリンクさせながら読んでみてください。

ということで!長くなりましたが、早速作品紹介に参りましょう!今回はデビュー作『オーデュボンの祈り』から『重力ピエロ』までの4作品です。

 

 伊坂幸太郎作品、一挙紹介(パート1)

オーデュボンの祈り

オーデュボンの祈り (新潮文庫)

オーデュボンの祈り (新潮文庫)

 

あらすじ 

コンビニ強盗に失敗し逃走していた伊藤は、気付くと見知らぬ島にいた。江戸以来外界から遮断されている“荻島"には、妙な人間ばかりが住んでいた。嘘しか言わない画家、「島の法律として」殺人を許された男、人語を操り「未来が見える」カカシ。次の日カカシが殺される。無残にもバラバラにされ、頭を持ち去られて。未来を見通せるはずのカカシは、なぜ自分の死を阻止出来なかったのか?(引用:amazon

伊坂幸太郎のデビュー作となるこの作品。

読み始めのうちは、なんとなくオズの魔法使いの世界に迷い込んだような、「あれ。私今、ファンタジー小説読んでるんだっけ?」と、なんとも言えない不思議な気分のままページをめくっていくことになります。

なんてったって【未来が見えるカカシ】が、この作品の重要人物(人物と言っていいのかは謎ですが)ですからね。念のためですが、カカシというのは、人間の名前ではありませんよ。田んぼに刺さっている、あのカカシです。そのカカシが、言葉を話せて且つ未来が見えるんです。

設定からして、従来のミステリー小説とは逸脱していますよね。

とはいえ、「未来が見えるはずのカカシが、なぜ殺されたのか?」「果たして犯人は誰なのか?」というミステリー要素はしっかり盛り込まれているわけで。断片的だった出来事が次々と繋がっていく伏線回収の伊坂マジックは、デビュー当時から顕在です。

印象に残ったシーン

「小説の中で事件が起きるんだ。人が殺されたりして。で、その名探偵が最後に事件を解決する。犯人は誰それだ、と指摘するんだ」

「で、当たっているわけか」

「というよりも、彼が決定した人が犯人になるんだ。ただ、彼は犯罪そのものが起きるのを防ぐことはできない」
犯罪を止めることはできない。でも、真相は指摘できる。僕がその探偵本人であったら、こう叫ぶだろう。「何の茶番なのだ」と。自分はいったい誰を救うのだろうか、と頭を掻き毟る。

未来を知り得ながらも、何もすることができないカカシのもどかしさ。自分の役割はなんなのか。使命とは。

ラストでどんでん返しがあるわけでもなく、決して派手な作品とは言えませんが、個人的にかなり好きな作品なので、近い内にネタバレを含みながら、一記事書ければなと思います。 

 おすすめポイント

・独特の世界観で通常のミステリーとは違った面白みを味わえる

・勧善懲悪が明確でスッキリする

・なんてったって伊坂幸太郎のデビュー作

 ラッシュライフ

ラッシュライフ (新潮文庫)

ラッシュライフ (新潮文庫)

 
あらすじ泥棒を生業とする男は新たなカモを物色する。父に自殺された青年は神に憧れる。女性カウンセラーは不倫相手との再婚を企む。職を失い家族に見捨てられた男は野良犬を拾う。幕間には歩くバラバラ死体登場――。並走する四つの物語、交錯する十以上の人生、その果てに待つ意外な未来。不思議な人物、機知に富む会話、先の読めない展開。巧緻な騙し絵のごとき現代の寓話の幕が、今あがる。 (引用:amazon

5つのストーリーが別々に展開していく一冊。

登場人物も時間軸もバラバラに物語が進んでいくため、「いつか繋がるんだろうなあ」と分かってはいても中々到達点が見えず、最初のうちは置いて行かれないように必死に読みました。

で、一旦繋がりが見えるとどんどん進んでいく。終盤の盛り上がりは秀逸でした。一度乗り込んだジェットコースターからは降りられない。そんな気分です。

毎日少しずつ読もうとすると分からなくなるので、時間があるときに一気に読むことをおすすめします。

この作品で初登場、今後の伊坂作品にもちょくちょく出てくる黒澤が個人的に大好きです。なので、印象に残ったシーンも、黒澤の台詞より抜粋。

印象に残ったシーン

「でもな、人生については誰もがアマチュアなんだよ。そうだろ?」

佐々岡はその言葉に目を見開いた。

「誰だって初参加なんだ。人生にプロフェッショナルがいるわけがない。誰だって初参加なんだ。まあ、時に自分が人生のプロであるかのような知った顔をした奴もいるがね、とにかく実際には全員がアマチュアで、新人だ」

個人的に心に残る台詞が多かったこの作品。伊坂作品って、あたかも「名言だろ?」と提示してくるのではなく、ストーリーの流れの中で自然と放たれる言葉の数々に、自身の考え方のヒントになるような教訓が隠れているんですよね。

一度読み終えても、すぐにもう一度読み直したくなると思います。

おすすめポイント

・まさに伊坂マジック!読者を裏切る仕掛けが盛りだくさん

・人生が豊潤になる隠れ名言が多い

・登場人物、黒澤が魅力的(かなり個人的)

陽気なギャングが地球を回す

陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)

陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)

 

 あらすじ

嘘を見抜く名人、天才スリ、演説の達人、精確な体内時計を持つ女。この四人の天才たちは百発百中の銀行強盗だった……はずが、思わぬ誤算が。せっかくの「売上」を、逃走中に、あろうことか同じく逃走中の現金輸送車襲撃犯に横取りされたのだ! 奪還に動くや、仲間の息子に不穏な影が迫り、そして死体も出現。映画化で話題のハイテンポな都会派サスペンス!(引用:amazon

軽快かつスリル有で、さらりと読める作品。

4人の強盗団のキャラクターがとにかく際立っていて、ドタバタとした映像が脳内に何度もちらつきます。この作品は映画化されていますが、私はまだ映画を見ていないので、自分なりに配役を立てて読んでみたところ一層楽しめました。

強盗団なのでいわゆる悪者なんですが、愛すべき悪者といいますか。(犯罪を肯定しているわけではありませんよ!)

この4人の会話を後ろでずっと聞いていたいなと思うような、そんな読後感です。正直、話の内容はあまり印象に残っておらず・・・。個人的には、4人のキャラクターや会話を楽しむ、そんな作品だと思います。

印象に残ったシーン

・「でもさ。正しいことが人をいつも幸せにするとも限らない」

・「穏やかな人って何だ」「人生を楽しんでいる人かも」

・「魂のランクが下がってる」

伊坂作品をこれから読む人で、「シリアスよりもコメディ派」という人や、「漫画はよく読むけど小説はあまり読まない」という人におすすめの作品です。

 おすすめポイント

・登場人物たちのキャラクターがとにかく際立っている

・明朗快活!テンポよく読める

・憂鬱な気分が吹き飛ばされる

 重力ピエロ

重力ピエロ (新潮文庫)

重力ピエロ (新潮文庫)

 

あらすじ

兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去に辛い出来事があった。その記憶を抱えて兄弟が大人になった頃、事件は始まる。連続放火と、火事を予見するような謎のグラフィティアートの出現。そしてそのグラフィティアートと遺伝子のルールの奇妙なリンク。謎解きに乗り出した兄が遂に直面する圧倒的な真実とは――。溢れくる未知の感動、小説の奇跡が今ここに。 (引用:amazon

母親が強姦されてできた息子、春。そんな春と家族の物語。遺伝、血縁、家族について問いかけてくるメッセージ性の強い本作品。

レイプや遺伝という重たいテーマを扱っているだけに、読んでいる側が暗い気分に陥ってもおかしくないところを、そうさせないのが伊坂さんの力量でしょうか。

憎悪や悲しみといった負の感情が、家族の愛や優しさといったあたたかい感情によって救われる。暗い井戸の底に長年うずくまっていたら、ある日、光が差し込んできて一気に外の世界に引っ張り上げられるような、そんな感じです。(わかりにくい)

決して明るい結末ではないですが、あたたかさの残る作品です。

印象に残ったシーン

・「楽しそうに生きてればな、地球の重力なんてなくなる」

・「本当に深刻なことは、陽気に伝えるべきなんだよ」

・そうして、父と春が握手をした。父の表情は変わらなかったが、右手にはとても強い力が込められているのがわかった。意思の伝達を行うような、力強い握手だった。

・「おまえは俺に似て、嘘が下手だ」

ガンジーなどの先人の言葉を春がよく引用しているせいもありますが、それに負けず劣らず春の父と母が素敵な言葉をたくさん残してくれており、本作品については大好きな言葉がたくさんあるので、別の機会にまた紹介したいなと思います。

おすすめポイント

・重たい話なのに、あたたかい気持ち(幸福感)が勝る

・「何を善とし、何を悪とするか」考させられる作品

・春が博識なので、知識が増える。

 ちなみに、この作品の出だしがとても好きです。

ありませんか?一文目からその世界観に引きづり込まれること。夏目漱石の「我輩は猫である」だったり、島崎藤村の「夜明け前」だったり、出だしが有名な作品ってあると思うんですが、そんな歴史的に有名な作品にも負けず劣らずだと思います。

ー春が二階から落ちてきたー

声に出すと思わず、うっとりとした溜息が出てしまうのは私だけでしょうか?

 

ということで。第一段階、ひとまず終了!なんとなくでも、「読んでみたいなぁ」と思ってもらえる作品があれば嬉しいです。

次回は5作品目「アヒルと鴨のコインロッカー」から紹介します。BGMにボブディランを用意してお待ち下さい!

 

以上!