【小説感想】『四月になれば彼女は』“なぜ人を愛するのか”理屈では説明できない問いと対峙する。

色鮮やかな装丁を施した本が並ぶ中、その一冊を手に取った。 天国に一番近い湖と言われるウユニ塩湖のグラフィックに白い文字でタイトルが綴られている。全体的に薄い色素のデザインは儚く消えてしまいそうで、けれども、確かな存在感を放っている。私はその本を無意識に手に取っていた。 作者は川村元気。2016年だけでも…